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ドコモと僕とウィルコム

いきなり余談だが、僕は携帯電話を「ケータイ」と書くのがキライだ。これがなぜなのか、全く説明がつかないのだが、たぶん生理的なものだろう。なので、漢字で「携帯」と書くことにする。

僕が初めて携帯電話を持ったのは、確か1996年だったから、携帯歴は12年になろうとしている。一番初めに持ったのは、ドコモの三菱製端末D203であり、それから10年ほどドコモを使い続けた。最後に使ったN901iSを除き、全て個性派の三菱を使い続けたので、今般の三菱の携帯電話事業撤退には様々な思いがある。一昨年末、MNPができた頃、N901iSの電池膨張にマトモに取り合ってくれない殿様商売のドコモに怒り心頭、auにMNPする。しかし、ほとんど待ち受け専用としてしか使わない僕のライフスタイルにauはマッチせず、わずか半年経った昨年7月にソフトバンクにMNPして現在に至る。つまり僕は、イーモバイルを除くすべてのキャリアを一つの番号で経験した浮気男と言える。ついでに、ウィルコムも持っている。

賛否両論あれど、結果的にソフトバンクの主導により、携帯電話の料金に関する大改革が各キャリア出揃った。すなわち、携帯電話市場飽和に伴うインセンティブ(ネット上ではインセなどと略される)方式から脱却した、新しい料金プランである。これらを見ていくと、結局のところユーザの負担は従前と大して変わらない場合が多いようだ。我々ユーザとしては、純粋な回線業者となるキャリアがない以上、携帯電話を選ぶ場合は、実質3キャリア+PHSのウィルコムから選ぶしかない。これらの4キャリアすべてを使った僕の視点から、特徴をまとめてみた。ちなみに僕は、周波数帯がどうのこうのとか、GSMじゃないから国際競争力がどうだとか、技術的に何が優れているとかにはあまり興味はない。そんなのは、中の人が考えればいいことで、我々は提供されるサービスを受けることしかできないからだ。

DoCoMo:殿様キャリア

ドコモには個人的に言いたいことは山ほどあるし、様々なサイトで言い尽くされているんだろうが、要は松永真理さんや夏野剛さん(退職報道があったけど?)がi-modeを世に出した頃のベンチャー精神はなく、端末へのカメラ搭載辺りから「他者の出方を窺ってから後出しジャンケン」を繰り返すキャリアになったと言える。今般のバリュープランや家族内無料通話も然りである。この辺は様々な憶測があるが、母体企業であるNTTが、NTTに対する求心力を失ったドコモを引き戻すために管理職を大量に送り込み、若手プロパーの企画が潰されるようになったっていう説が一番しっくりくる。そんなドコモの若手プロパーと飲んだことがあるが、一人勝ちする自社への愛社精神あふれる有り難いお言葉ばかりでゲップが出そうだったので、もはや若手も飼いならされた感があるのは至極残念である。
しかし、そんな会社の内部事情は、多くの人がエンドユーザとして携帯電話サービスを行うキャリアを選ぶ際には、ほぼ無関係である。圧倒的なブランド力とエリアとユーザ数をバックに、大勝もしないが大敗もしない後出しジャンケンで勝負するのは、戦略として間違いではない。ユーザとしては、少し待てば他キャリアと同等のサービスが受けられるからだ。3Gエリアでは昨年くらいまでauが優位と言われていたが、元公社の力であっという間に優位に立ったらしい。反体制的な人やリベラリストでなければ、ドコモを選んでおけば間違いないだろう。

au:サヨナラキャリア

CDMAOneのインフラ整備の恩恵で、3G当初は圧倒的優位に立つものの、結局はエリアで元公社の前になすすべなし。唯一のCDMA2000規格にして、唯一の従来型インセモデル継続が、「お客様満足度No.1」に今後どう影響するか?
フルサポートは他社比較で特に優れたものではなく(むしろ縛りの意味が大きい)、目を引く料金プランもない。というか、この縛り、割賦方式を前提にした他社に比べて、パンフなどを見ても非常に分かりにくい。端末も、特に目新しくもないものを黙々と出し続けるだけ。直営ショップのネーチャンは経験上、使えないのばかり。マニア向けスマートフォンのラインナップがなく、今後も出す予定はないらしい。規格の違いだか何だか知らんが、iPhone争奪戦のスタートラインに立つことすらできない。そんなauで、お客様は何に満足したらいいんだ?仲間由紀恵か?僕は半年auを使っていて、ちっとも満足できませんでした。

SoftBank:ドン・キホーテキャリア

他キャリアが新プランを発表したら24時間以内に追従すると公言し、その通りにしてきたソフトバンクだが、最近はインセ撤廃、無料通話などで常に先を行き、ドコモら大手が後から付いてくる逆転現象もしばしば。テレビCMでのお父さん(犬)のセリフ「ソフトバンクごっこはやめろ!」とは、言い得て妙であるが、よく考えればブロードバンドを巡る覇権争いでも、NTTがソフトバンクに追従する形になったんだっけ。果たしてソフトバンクは巨象に立ち向かうアリンコなのか、風車に立ち向かうドン・キホーテなのか。いずれにせよ、インセモデルにメスを入れた功績は評価できるだろう。実は、ユーザの負担は大して変わらないのだが、そんなことは公言しない。
本当にこの業界にメスを入れるなら、端末開発をメーカに委任して端末販売せず、SIMロックを解除して、真の意味での「通信キャリア」になるしかないと言われており、孫さんにもその期待が集まったが、結局は割賦=スパボ。端末の一括販売価格が10万円って、客をなめてはいないか。ドコモが本気になって価格を引き下げれば、ソフトバンクなんて吹っ飛んでしまうはずだからこそ、学生タダだの新規優待価格だのよりも既存ユーザに振り向いて欲しいものだが、1兆7000億円の返済を考えれば、さしもの孫さんでもしばらく冒険はしないだろう。つまんね。
実際にユーザになってみると、「スーパー安心パック→あんしん保証パック」の実質サービス低下のような、「スパボで囲ってるから、釣った魚には餌をやらない」戦略が目につき、ああ、僕は釣られた魚なんだなぁという鬱屈たっぷりである。スパボの喪が明けたら、僕はたぶんどこかにMNPするんだろう。全キャリア制覇を目指すなら、今のところイーモバイルしか選択肢がないわけだが。
関係ないが、auからのMNPで加入した時の、ソフトバンクショップのおねえさんの対応は、僕の12年ほどの携帯史上(4キャリア比較)No.1であった。ソフトバンクは安かろう悪かろうだと思っていた僕には衝撃的だった。あんなテキパキした対応と明確な説明、丁寧な接客をする店員ばかりだとソフトバンクは凄いんだが、乱立する店舗数から推し量るに、それは無理なんだろうな。引きが良すぎただけか。

Willcom:ツンデレキャリア

「メールと通話と、ちょっとだけネット使えればいい人」というより、「真性ドМ」と「カルト的信者」と「医療関係者」向けのキャリア。何故なら、サービスの質や公式コンテンツの量で圧倒的に携帯キャリアに劣り、友だちが話題に上げてるサイトを見ることもできなければ、端末ラインナップも少ないキャリアをわざわざ自ら選ぶのは、「真性ドМ」か「カルト的信者」以外にあり得ないからだ。あとは、電磁波が少ないらしいので、医療現場で一括採用なんてのもあるらしいが。なお蛇足ながら、前掲4者は排他的ではないので、全部該当する聖人ユーザがいるかもしれない。
ウィルコムを支えるユーザ(♂)は、恐らくこんなイメージだろう。すなわち、合コンで女の子に「えー、今どきピッチ?」言われて、「何も知らないんだな、ウィルコムは営業下手だけど実は携帯より圧倒的に安いし、(手を加えればそこそこ)使えるのに、説明するのがメンドクセーんだよ、何も知らねぇんだなこの(ピー)」と心の中で呟きながら、実際は「そ、そうなんだ、ホ、ホントはドコモがいいんだけどね」とぶっきらぼうに答えてしまい、女よりも「オレだけのウィルコム」感に浸る自分を愛せるようなタイプである。あるいは、自作PCのグラボはATIやNVIDIAではなく、宗教上の理由でお布施をはたいてMatroxを買っちゃうような「信者」と似た感じかもしれない。 Matroxユーザにウィルコムユーザが多いという仮説を検証してみたいぞ。
ただでさえ一般人にはPHSはマイナスイメージなのに、他キャリアの軒並みウソくさい激安プランに中で、たっぷり付加価値があることを大してアピールせずに「2800円/月」で勝負するのも、実は戦略なのかもしれない。何故なら、ちょっとくらいの欠点(実際、ちょっとじゃないが)も自助努力でカバーする自分が好きだとか、「美人だけど、実はちょっと足がクサイ」みたいなのが好きだとか、「実は美人だけど、いつも化粧をせずにオヤジメガネ」みたいなのが好きだとか、そういう人の心をグッと掴んで離さないからだ。そういえば、2.5GHz帯の免許割当では、ネット上ではウィルコム祭りがあちこちで起こっていたが、KDDI陣営の祭りなんでのは皆無だった。
何だか世のウィルコムユーザを煽っているような文章だが、僕も立派なウィルコムユーザであり、今後もウィルコムを使い続けるつもりだ。それは、嫁さんがウィルコムユーザだからだということ以上に、僕がドMな信者だからだっていうのはヒミツだ。そしてMatrox使ってますトホホ。G400だけど。
あ、書き忘れてたが、各社の回りくどい縛りプランが出揃った中で、ウィルコムは唯一マトモで素直に受け入れられるプランを継続していることを付記しておく。何がマトモかの判断基準は人それぞれで、難しいところだけどね。

ある不信の物語

WWW経由の通信販売は、楽天などの例を出すまでもなく、我々の生活に定着している。我々が数多のネットショップの中から1店舗を選び出す基準は、大まかに2つに収斂されよう。一つは、価格.comの成功に見られるように価格の安さ(送料込みで!)、もう一つは百貨店のようなブランド力や実店舗利用経験などから築かれる、その店の主観的な信用である。単純に考えれば、この二つを高次元で両立させている店が、ネット上で成功しているのではないか。さて、ここで問題。実店舗を利用して良い印象を持ち、その店が運営するネットショップで手頃な値段で欲しい商品が陳列されていたら、あなたならどうするだろうか、というお話。

初めてパソコンを自作したのは、かれこれ8年も前、僕がまだ東京在住の大学院生だったころのことだ。当初、自作と言えば、アイボリーの地味な色のケースにわけのわからないパーツを詰め込むマニア仕様だとばかり思っていた。が、高校時代からの友人(自作マニア)に連れられて行った秋葉原のFaithで出会った星野金属(当時)のJAZZ LVに一目惚れ。大胆に斜めに削られた前衛的なフロントマスクと、シルバー総アルミに前面アクリル張りというスタイルは、それまでの僕の自作イメージを吹き飛ばすのに充分だった。なけなしの金をはたいて当時は高価だったアルミケースであるJAZZ LVを手に入れ、友人の薦めのままにPioneerのスロットインDVDドライブやらMatrox Millenium G400(G400がいかにマニアパーツなのかを知ったのは、ずっと後のことだった)やらを買ったのは、すべてFaithだった。それからというもの、秋葉原にパーツを漁りに行くときは、他店とは少し離れた場所にあるFaithにも必ず足を運び、今から考えれば実にくだらないパーツを調達したものだ。

さて、最近、「リビングでインターネットしたい」という母の要望に応えるべく、DELLの直販でInspiron 1526を購入した。WXGA液晶、Athlon64 X2 TK-57 1.9GHz搭載ノートで7万円を切るという、Athlon64 X2 3800+のCPUを数年前に4万円弱で買って「ヤッスーイ」などと言っていた自分が悲しくなるようなスペック/価格である。本機にはオプションのBluetoothを積んでおいたので、それを活かすべくBluetoothマウスを購入することにした。ネットを漁ってもなかなか良いものが見当たらない中で、僕の要望を満たす日本未発売のLogitech V470に行き当たった。このマウスを輸入販売している店を探しているうちに、手ごろな値段で売っているお店を一つ見つけた。それが、前述のFaithだったのである。

Faithには昔からよく通っていたし、店員も親切だった。僕は今、東京を離れているのでネットで注文するしかない。Faithでの通販は初めてで、納期5-10日ではあったが、送料は高くても送料込みでも値段も他店と比べて手ごろだし、ということで迷うことなくポチる。それで支払いをカードで済ませたのが先週初頭のお話。で、自動返信で来た「ご注文内容の確認」なるメールの一部が、若干気にはなるものではあった。

※受注承諾メールではございません。

つまるところ、注文は受けたけど受注はしてませんよっていう禅問答みたいな状態か。まぁしかし、Webシステムにおける注文のタイムラグと在庫(店舗在庫は無いはずだが)との関係でこう謳っているだけで、すぐに受注承諾メールが来るものだろうと思い、特に気にはしなかった。これまでのネット通販は皆そうだったし、何せ僕が自作を始めてからずっとお世話になってたFaithである。しかし、まる1週間以上たっても「ご注文内容の確認」以降のメールは来ず。何なんだ、僕の注文は受注されてないのか、と思うわけだ。

とりあえず、ネットで注文したものだから、ネットで問い合わせようということで、FaithのWebサイトのフォームから質問。投稿ボタンを押すと、「ただ今メールが込み合っており、返答に時間がかかります」みたいな表示が。ついでに納品書もお願いしようと、納品書請求フォームから申し込むも、また同じ表示。心配なので、ついに電話で問い合わせることにした。が、日中で定休日でないにもかかわらず、何回かけても電話は呼び出し中のままなのである。ここでやっと、これはマズイと気付き、価格.comのFaithの評価を見て更にビックリ。この手の投稿は主観が入り混じり、少数意見ならば商品の初期不良やクレーマー的視点で悪評価になる場合もあるが、現時点で70件ある投稿の半数以上が悪評価なのは如何なものか。

その後、時間を見つけては電話をかけていると、やっと繋がる。経緯を聞くと、受注はされているらしく、2月29日に問屋かどこかに発注したという。今週末か来週頭には発送するらしい。何故、注文から数日経った29日に正式受注もせずに問屋発注なのかという素朴なギモンは残ったが、とりあえず、Faithが僕の注文を正式受注したことと、納期はいつになるのかを改めてメールで知らせてくれ、との旨を伝え、その場は電話を切った。それにしても、「受注承諾メールではない」というメール以来、1週間以上連絡をもらっていないのに、お店側は勝手に受注しており、問屋に発注をかけてるとは、いったいどういう見識なんだろうか。

電話を切ってから、改めて考えた。数年前、秋葉原のPC-Successが夜逃げしたことを思い出した。もともとネットでは悪名高いショップで、在庫や納入のあてもなく自転車操業で店舗運営していたという話だった。今回のFaithのケースは、PC-Successと何が違うのか?実は同じなのではないか?だけど、そうだとしたら僕が東京にいた頃によく通っていたFaithの店舗は何だったんだ?どうも心が晴れなかったので、もう一度電話して問い合わせてみることにした。

今度は一発で電話が繋がる。これまで書いた、僕とFaithとの関わりも交えながら、正式受注もないまま発注しましただなんて、一体御社の運営はどうなっているのか、代金だけ先払いで、モノはきちんと届くのかと。しかし、どうにもまともな答えが得られず、電話の向こうからは誠意が感じられなかったため、結局、注文キャンセルと相成った。(余談だが、カード支払の注文をキャンセルしたのだが、この体たらくではFaithがきちんとカード会社に対してキャンセルの処理を行っているのか、来月のカード明細が見ものである。もう電話したくないんだけどね。)

僕が言いたいのは、Faithはサイテーな店だから皆さんも利用しないほうがいいですよ、みたいな、価格.com評価のようなお話ではない。単なるネット通販のトラブルとしては、今回の件は実にささいなことであり、もっと複雑なトラブルに巻き込まれた人は大勢いるだろう。それより、老舗パーツショップであり、何より僕が店舗によく足を運んでいて、親切な店員がいる店頭をよく知っているあのFaithに裏切られたことによる、実店舗利用経験を通した(主観的な)信用の崩壊が切ないのだ。それでなくても現在の秋葉原は、萌えだかメイドだか何だか知らんが、そーゆーものが表に出て繁盛し、秋葉原の屋台骨を支えている一方、裏通りに追いやられていくパーツショップは経営難らしく、僕がよく通っていたOVERTOPや高速電脳が店をたたむなどしている。そんな中で、少なくとも僕にとっては信頼できるパーツショップであったFaithがこの体たらくなのだ。こうしたことの積み重ねで、パーツショップが衰退し萌えが拡大して、秋葉原の陣取り地図は書き変わっていったのだろうか。まぁ、萌えがどっち向こうが僕の知ったことではないが、僕は金輪際、上京してもFaithに足を運ぶことはないだろう。不信とはそういうものだ。

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