- 2008-04-01 (火)
- 俺はプロパガンダ
いきなり余談だが、僕は携帯電話を「ケータイ」と書くのがキライだ。これがなぜなのか、全く説明がつかないのだが、たぶん生理的なものだろう。なので、漢字で「携帯」と書くことにする。
僕が初めて携帯電話を持ったのは、確か1996年だったから、携帯歴は12年になろうとしている。一番初めに持ったのは、ドコモの三菱製端末D203であり、それから10年ほどドコモを使い続けた。最後に使ったN901iSを除き、全て個性派の三菱を使い続けたので、今般の三菱の携帯電話事業撤退には様々な思いがある。一昨年末、MNPができた頃、N901iSの電池膨張にマトモに取り合ってくれない殿様商売のドコモに怒り心頭、auにMNPする。しかし、ほとんど待ち受け専用としてしか使わない僕のライフスタイルにauはマッチせず、わずか半年経った昨年7月にソフトバンクにMNPして現在に至る。つまり僕は、イーモバイルを除くすべてのキャリアを一つの番号で経験した浮気男と言える。ついでに、ウィルコムも持っている。
賛否両論あれど、結果的にソフトバンクの主導により、携帯電話の料金に関する大改革が各キャリア出揃った。すなわち、携帯電話市場飽和に伴うインセンティブ(ネット上ではインセなどと略される)方式から脱却した、新しい料金プランである。これらを見ていくと、結局のところユーザの負担は従前と大して変わらない場合が多いようだ。我々ユーザとしては、純粋な回線業者となるキャリアがない以上、携帯電話を選ぶ場合は、実質3キャリア+PHSのウィルコムから選ぶしかない。これらの4キャリアすべてを使った僕の視点から、特徴をまとめてみた。ちなみに僕は、周波数帯がどうのこうのとか、GSMじゃないから国際競争力がどうだとか、技術的に何が優れているとかにはあまり興味はない。そんなのは、中の人が考えればいいことで、我々は提供されるサービスを受けることしかできないからだ。
DoCoMo:殿様キャリア
ドコモには個人的に言いたいことは山ほどあるし、様々なサイトで言い尽くされているんだろうが、要は松永真理さんや夏野剛さん(退職報道があったけど?)がi-modeを世に出した頃のベンチャー精神はなく、端末へのカメラ搭載辺りから「他者の出方を窺ってから後出しジャンケン」を繰り返すキャリアになったと言える。今般のバリュープランや家族内無料通話も然りである。この辺は様々な憶測があるが、母体企業であるNTTが、NTTに対する求心力を失ったドコモを引き戻すために管理職を大量に送り込み、若手プロパーの企画が潰されるようになったっていう説が一番しっくりくる。そんなドコモの若手プロパーと飲んだことがあるが、一人勝ちする自社への愛社精神あふれる有り難いお言葉ばかりでゲップが出そうだったので、もはや若手も飼いならされた感があるのは至極残念である。
しかし、そんな会社の内部事情は、多くの人がエンドユーザとして携帯電話サービスを行うキャリアを選ぶ際には、ほぼ無関係である。圧倒的なブランド力とエリアとユーザ数をバックに、大勝もしないが大敗もしない後出しジャンケンで勝負するのは、戦略として間違いではない。ユーザとしては、少し待てば他キャリアと同等のサービスが受けられるからだ。3Gエリアでは昨年くらいまでauが優位と言われていたが、元公社の力であっという間に優位に立ったらしい。反体制的な人やリベラリストでなければ、ドコモを選んでおけば間違いないだろう。
au:サヨナラキャリア
CDMAOneのインフラ整備の恩恵で、3G当初は圧倒的優位に立つものの、結局はエリアで元公社の前になすすべなし。唯一のCDMA2000規格にして、唯一の従来型インセモデル継続が、「お客様満足度No.1」に今後どう影響するか?
フルサポートは他社比較で特に優れたものではなく(むしろ縛りの意味が大きい)、目を引く料金プランもない。というか、この縛り、割賦方式を前提にした他社に比べて、パンフなどを見ても非常に分かりにくい。端末も、特に目新しくもないものを黙々と出し続けるだけ。直営ショップのネーチャンは経験上、使えないのばかり。マニア向けスマートフォンのラインナップがなく、今後も出す予定はないらしい。規格の違いだか何だか知らんが、iPhone争奪戦のスタートラインに立つことすらできない。そんなauで、お客様は何に満足したらいいんだ?仲間由紀恵か?僕は半年auを使っていて、ちっとも満足できませんでした。
SoftBank:ドン・キホーテキャリア
他キャリアが新プランを発表したら24時間以内に追従すると公言し、その通りにしてきたソフトバンクだが、最近はインセ撤廃、無料通話などで常に先を行き、ドコモら大手が後から付いてくる逆転現象もしばしば。テレビCMでのお父さん(犬)のセリフ「ソフトバンクごっこはやめろ!」とは、言い得て妙であるが、よく考えればブロードバンドを巡る覇権争いでも、NTTがソフトバンクに追従する形になったんだっけ。果たしてソフトバンクは巨象に立ち向かうアリンコなのか、風車に立ち向かうドン・キホーテなのか。いずれにせよ、インセモデルにメスを入れた功績は評価できるだろう。実は、ユーザの負担は大して変わらないのだが、そんなことは公言しない。
本当にこの業界にメスを入れるなら、端末開発をメーカに委任して端末販売せず、SIMロックを解除して、真の意味での「通信キャリア」になるしかないと言われており、孫さんにもその期待が集まったが、結局は割賦=スパボ。端末の一括販売価格が10万円って、客をなめてはいないか。ドコモが本気になって価格を引き下げれば、ソフトバンクなんて吹っ飛んでしまうはずだからこそ、学生タダだの新規優待価格だのよりも既存ユーザに振り向いて欲しいものだが、1兆7000億円の返済を考えれば、さしもの孫さんでもしばらく冒険はしないだろう。つまんね。
実際にユーザになってみると、「スーパー安心パック→あんしん保証パック」の実質サービス低下のような、「スパボで囲ってるから、釣った魚には餌をやらない」戦略が目につき、ああ、僕は釣られた魚なんだなぁという鬱屈たっぷりである。スパボの喪が明けたら、僕はたぶんどこかにMNPするんだろう。全キャリア制覇を目指すなら、今のところイーモバイルしか選択肢がないわけだが。
関係ないが、auからのMNPで加入した時の、ソフトバンクショップのおねえさんの対応は、僕の12年ほどの携帯史上(4キャリア比較)No.1であった。ソフトバンクは安かろう悪かろうだと思っていた僕には衝撃的だった。あんなテキパキした対応と明確な説明、丁寧な接客をする店員ばかりだとソフトバンクは凄いんだが、乱立する店舗数から推し量るに、それは無理なんだろうな。引きが良すぎただけか。
Willcom:ツンデレキャリア
「メールと通話と、ちょっとだけネット使えればいい人」というより、「真性ドМ」と「カルト的信者」と「医療関係者」向けのキャリア。何故なら、サービスの質や公式コンテンツの量で圧倒的に携帯キャリアに劣り、友だちが話題に上げてるサイトを見ることもできなければ、端末ラインナップも少ないキャリアをわざわざ自ら選ぶのは、「真性ドМ」か「カルト的信者」以外にあり得ないからだ。あとは、電磁波が少ないらしいので、医療現場で一括採用なんてのもあるらしいが。なお蛇足ながら、前掲4者は排他的ではないので、全部該当する聖人ユーザがいるかもしれない。
ウィルコムを支えるユーザ(♂)は、恐らくこんなイメージだろう。すなわち、合コンで女の子に「えー、今どきピッチ?」言われて、「何も知らないんだな、ウィルコムは営業下手だけど実は携帯より圧倒的に安いし、(手を加えればそこそこ)使えるのに、説明するのがメンドクセーんだよ、何も知らねぇんだなこの(ピー)」と心の中で呟きながら、実際は「そ、そうなんだ、ホ、ホントはドコモがいいんだけどね」とぶっきらぼうに答えてしまい、女よりも「オレだけのウィルコム」感に浸る自分を愛せるようなタイプである。あるいは、自作PCのグラボはATIやNVIDIAではなく、宗教上の理由でお布施をはたいてMatroxを買っちゃうような「信者」と似た感じかもしれない。 Matroxユーザにウィルコムユーザが多いという仮説を検証してみたいぞ。
ただでさえ一般人にはPHSはマイナスイメージなのに、他キャリアの軒並みウソくさい激安プランに中で、たっぷり付加価値があることを大してアピールせずに「2800円/月」で勝負するのも、実は戦略なのかもしれない。何故なら、ちょっとくらいの欠点(実際、ちょっとじゃないが)も自助努力でカバーする自分が好きだとか、「美人だけど、実はちょっと足がクサイ」みたいなのが好きだとか、「実は美人だけど、いつも化粧をせずにオヤジメガネ」みたいなのが好きだとか、そういう人の心をグッと掴んで離さないからだ。そういえば、2.5GHz帯の免許割当では、ネット上ではウィルコム祭りがあちこちで起こっていたが、KDDI陣営の祭りなんでのは皆無だった。
何だか世のウィルコムユーザを煽っているような文章だが、僕も立派なウィルコムユーザであり、今後もウィルコムを使い続けるつもりだ。それは、嫁さんがウィルコムユーザだからだということ以上に、僕がドMな信者だからだっていうのはヒミツだ。そしてMatrox使ってますトホホ。G400だけど。
あ、書き忘れてたが、各社の回りくどい縛りプランが出揃った中で、ウィルコムは唯一マトモで素直に受け入れられるプランを継続していることを付記しておく。何がマトモかの判断基準は人それぞれで、難しいところだけどね。
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